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2004.03.18

日本からのチベット教育支援ネットワーク

 "プロジェクトE"(←勝手に呼んでる)こと教育支援ネットワーク作成プロジェクトについて。

 そもそもは「チベットにはエリート層育成が不可欠だ」(←やや乱暴な要約)と考える知人の構想であります。なぜエリート層養成が必要なのかという説明は長くなるので、きちんとサイトに特集を立ち上げる時に書きたいと思っているんですが(なかなか長い文章をまとめられなくていつまでたっても特集が出来ない…)。
 とにかく、日本の外国人留学生受け入れ手続がある程度簡素化されて、にこれだけ中国人留学生・就学生があふれかえって(失礼)いる時代に、本土、難民問わず、チベット人があまりにも少ない気がする。中国籍コリアン(朝鮮民族)はほんとうにたくさんいるし、モンゴル人だって少なくない(と思う)のに。それは経済的理由だけではなく、進学に足る学業成績が劣っているからでもなく、情報に接していないからだという気がしなくもありません。
 「学びたい」という意志があって日本という国に興味があり、学力もあるチベット人が、どうすれば留学(進学)できるのかという情報と接することができれば、またそうしたチベット人を支えたい、自分の周囲にはこんな制度なり施設なりがあるという知識を持っている日本人がちょっと手を貸しさえすれば、彼らの状況は違ってくるんじゃないかと思うんです。

 ダラムサラなど亡命社会には欧米の情報がたくさん浸透しているし、英語を学ぶ機会も多いから英語圏への進路を考える人が多いのも分かる。ビザや生活支援を含めた難民受け入れ制度も日本よりずっと進んでいるために、日本に行きたいと考えるチベット人に逢うことはほとんどない。
 ただ、チベット本土で中国政府の教育を受けているチベット人は、漢字を知っていて漢字の読み書きができるうえに彼らの母語のチベット語は、発音(母音の数)や文法(動詞が最後にくるなど)は日本語にやや似ている(←乱暴な分類ですが)ために、日本語に適応しやすいのでは? とも思うんです。
 もちろんムリヤリ連れてくる必要はないんだけど、もし、仮に、日本に関心があって日本で高等教育を身につけたいと考えるチベット人がいたら、何か力になれればいいな、とも思っています。
 「力になる」=「お金を出す」と考えがちだけど、私は決してそうは思わない。どうやったらチベット人(=外国人)が日本に留学できるのか、という情報や、どの大学が留学生受け入れに熱心だとか、私費留学生向けの奨学金があるかとか、留学生向けの安い学生寮がある――などの情報は、普通の日本人はほとんど知る機会がありません(私も知りません)。チベット人自身はもっと知らないでしょう。

 このへんまでは、私が、日本で学びたいチベット人のための情報を集めたいな、情報の集約が主目的であれば、Webを通じてしか動けなくても、ある程度のことはできるんじゃないかな、……と思っている理由です。んでたぶんその情報は、チベット人ではない外国人にも役に立つものかも知れないしね。
 そして、チベット人が「学びたい」と考えるのと同じように、日本にも「チベット人から学びたい」と考える人はいるはず。語学とか、料理とか、フォークロアダンスとか、歌とか……。そういう人たちが集まれば、チベット人がチベット人として仕事をできる場も増えていくはずで、ネットワークを作ることは決して意味のないことだとは思わないのでした。

 今「本土のチベット人に還元できるビジネスを起こしたい」と考える人ともやりとりをしていて、そちらはまだ漠然としたアイデアを温めている段階だけど、「何かしたい」という動機を持つ人が互いにつながっていくのは悪いことじゃない、と思ってます。どう結果が出るかはまだ分からないけど。
 そしてそうした考えは、東京で「タシリン」のタシさんと逢ってお話をうかがって、より強いものになりました。タシさんはタシさんの進め方で目指す方向に向かっていただいて、協力できるところは協力して、意見をいただけるところにはいただいて、相談に乗っていただきながら、より広がりのある情報網を広げられればいいな、と思います。
 (というのも)本土への直接支援については、私はダラムサラとの関係があるから直接やりとりをしたり表立って動くことはできないので、裏方のつなぎ役に回らせてもらおうと思っています(いや、ダラムサラの手伝いだって裏方の裏ルンタではあるんだけど……?)。

 ……とまぁ、こんなことを考えてはいながら既に1年が経ってしまいました。(情けない)
 私が思い描いているのは組織ではなく、「こんなことをしたい人がいる」という情報を互いに共有する不定形のネットワークみたいなものです。なにかチベットに関わりたい、役に立つことができればもっといい、でもチベットは遠いしお金も時間も掛かるしそうは行けない、何もできることはないんだろうな、……なんて考えている人たちがもしいるとすれば、日本でこそできる手伝いもあるよ、みたいなひとつの提案にしていきたいと思っています。日々の生活の中でふと立ち止まって、「あれ、この情報はチベット人にとっても役に立つかな?」と考えてみる、そんな小さな角度の違う視点を持つことで日常の風景が変わることに気付かされたりするのではないでしょうか。

 チベット人が通いやすい学校や、チベット人が住みやすいアパートやマンション情報(それは外国人一般、ひいては日本人にとっても通いやすい学校/住みやすい街、になるのかもしれないんですが)が、「自分が通っている」とか「知り合いが通っている」とか、「家から近い」とかの理由で楽に入手できる立場にあるなら教えてください、――くらいの呼びかけを地味に続けていこうかな、と思っている次第です。

 ――ただ、この構想にはもちろんいろんな状況の変化もあって。
 詳細は特集コーナーを作りながら集約していきたいと思いますが、ひとつは今年から入管の審査が特に中国籍者に対して極端に厳しくなっていること。中国パスポート所持者への就学ビザ・留学ビザ発行数は去年までの10分の1に落ち込んでいるそうです。本土のチベット人は国籍別カテゴリだと「中国人」になってしまうんで、とんでもないとばっちりだと思うし、諸悪の根元は中曽根康弘だろうと思ったりもして、ああもうそれはここでは書き尽くせないから置いておきますけど、とにかく状況の変化に応じた新しい情報を集約していかないとなあ。

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