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2008.02.21

[テレビ番組]日本テレビ系で「梅里雪山」

 元京大山岳部でカメラマンの小林尚礼さんからいただいたお知らせです。
 本日2月21日と3月2日に、小林さんの著書「梅里雪山 十七人の友を探して」(山と溪谷社)をベースにしたドキュメンタリーが放送されるそうです。

◇◇◇◇◇梅里雪山に関するテレビ番組◇◇◇◇◇
★『梅里雪山』 (全国放送)
  2月21日(木)22:54~日本テレビ系列のニュース番組「NEWS ZERO」での特集で一部を放送
★ドキュメンタリー特別番組 『梅里雪山 十七人の友を探して(仮)』(90分)
  3月2日(日)13:25~14:55 日本テレビ
【内容】
 中国雲南省の梅里雪山(6740m)で起こった、史上最悪の山岳遭難。そこで亡くなった17人の友を、探し続ける男がいる。美しい雪山を背景にして、厳しい遺体捜索活動、遺族との旅、チベット族の村人との交流を見つめる。原作は、『梅里雪山 十七人の友を探して』(小林尚礼著、山と溪谷社)。俳優・小栗旬が、ドキュメンタリー初ナレーション。
【番組紹介ホームページ】
http://www.k2.dion.ne.jp/~bako/news-NTV2008.html

 「梅里雪山(メイリーシュエシャン:中国名)」とは、東チベット・カム南部の聖峰「カワ・カルポ/カワカブ(カム音)」。チベット人は主峰カワカブを伝説の王の姿とみて、2週間かけて巡礼路をまわります。(私はデチェンが未開放だった時代に虎跳峡を歩いてチラッとてっぺんを見ただけですが…)
 それがいまやデチェン(中甸)は、アメリカの小説に登場するチベットの伝承をモチーフとした架空のユートピアを指す造語から持ってきた「香格里拉(シャングリラ)」なんちゅう恥ずかしい地名(中国名)に変えられ、観光地化驀進中。まぁ、観光目当てに外来語を持ってきちゃった恥ずかしい改名は「南アルプス市」だの「南セントレア市」だの、よその国のことを言える状態じゃありませんが。

 話を戻すとカワカルポは信仰の地。チベット人の思考回路には「山を征服する」とか「そこにあるから登る」なんちゅう山屋さんの考え方は存在しません。1991年の「史上最悪の山岳遭難」は、“日中友好学術”の名のもと、地元チベット人の反対をおしてのチャレンジで起きた悲劇でした。
 小林さんは、当事者として事故と捜索にかかわり、現地に住み込み、山とチベットの文化に魅せられ、今も「巡礼」の途上にある方です。遠くから来て登る人の気持ちと、そこに生まれ自然を敬い暮らす人の気持ちの双方を理解する稀有な方なんだろうと想像しています。
 ドキュメンタリーが、景色の美しさ、挑戦の過酷さ、悲劇の強調に終わらず、その背景にある文化の違いや小林さんの思いまでとらえたものでありますように。

 未踏峰ってそんなにいいもんかねぇとか思ってたら、15年経ってもまだやってるし。
 山形県山岳連盟が聖山の頂に初到達(2007.10.16山形新聞)
 ことさらに「聖山」を強調して喜んでる(登頂に対して付加価値つけようとしてる)山形新聞の見出しが悪質に思えてなりません(……という話題は年明けにチベ友が教えてくれたのですが、ヤマにあまり興味がなくてそのままにしてたのを、カワカルポの話題があったので便乗しました。すみません)。

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Comments

チベットの文化と山屋のワガママ双方を(僭越ながら)私は理解していると自認していますが、何とも複雑な気分であり、少し意見をのべさせていただきます。

>「山を征服する」とか「そこにあるから登る」なんちゅう山屋さんの考え方

「山を征服する」という考えは、山屋の考え方ではないと思います。多くの山屋はおてんとう様の機嫌の良いときに少し登らせてもらうと思っていて、機嫌の悪いときはテントで寝ています。山や自然を征服するなどというのはオコガマシイ話です。あえて言えば自己を征服するのが登山でしょう。

台湾や樺太が「国内」であった際に遠「征」し、「我、新高山(玉山)を征服せり!!!」みたいな記載をした報告を見たことはありますが、そんな時代錯誤な考えを持って登ってる山屋がいれば希少生物として登録できます。

また、「そこに山があるから」というのは誤訳であり迷信です。

マロリーが 'Why do you climb Mt. Everest?' という記者の質問に対して回答した言葉 'Because it is there.' を誤訳されてしまったのですね。

その当時の登山界の状況を考慮して意訳すれば「エベレストは世界最高峰かつ未登だから」という意図であったはずです。はっきりしているのは、登山一般を指し「何で山登るねん?」という質問への回答ではありませんでした。
(このへんの経緯は本多勝一氏が詳しく検証してました)

では、「何で山登るねん?」への回答は、、、山屋さんの中では登山行為そのものと同じぐらいの情熱を持って議論されていますがずーっと統一見解は出ませんでしたし、今後も出ないでしょう。この命題で日本の酒造業界は相当潤ってると思います (^^;

以上のようなことをうらるんたさんが知らないのは当然ではありすが、「登山なんて嫌い!」と言いながらも、大切なカメラだけは絶対に離さずにカイラスをコルラしたうらるんたさんには少し理解してほしいなーと思います。

嫌いなものを理解してほしいというのはやっぱりワガママですかねぇ (^^;

かたや、ヤルラシャンボに登頂してしまうことは、感性を疑ってしまいます。

そこにいたるまでにチベットを通りチベット人と接し僧侶にお茶を誘われる体験をしている一方、聖山であることをことさら強調しているということは(仮にギャミの偏った情報しか知らない登山隊であったとしても)、確信犯です。

メンバーの誰かから「本当に登っていいのか」との疑問が出なかったのかと小一時間問い詰めたい。少なくとも報道の中では何も触れられず、うらるんたさん指摘のとおりであり、同行記者の資質も問われます。

少し海外登山に目覚めた山屋やネパール・ヒマラヤ好きの人の間ではマチャプチャレには登らないのが常識ですし、カイラスの登頂もすべきではないと思われています。メスナーがカイラスの山中で何らかの活動をしたものの、はっきり報告しないのもその理由でしょう。(メスナーの経験・技術・体力からすれば、カイラスに数日で登るのは簡単なことでした)

一方、姫路の岩登りゲレンデの清掃活動に参加した感想に
 >お世話になっている小赤壁に恩返し。
 >ゴミを拾うって、気持ちいいです。
 >チベットではこのような環境教育はしているのでしょうか。
 >ポイ捨てするドライバーや子供たちを思い出しました。
と書いている学生がいます。
http://blog.kansai.com/sangaku+page+2

私は、彼とは面識がありませんし、彼が参加したチベット登山にも関わりませんでした。しかし、チベット登山に参加すれば、たとえ最初は山にしか興味が無くとも、このような発想を得るのが自然と思います。

その最たる人が小林さんではないかと思います。飛行機や当時一般的ではなかったGPSまで動員して捜索しても何の成果も得られないまま終了した初期捜索の後の追悼式で「敵討ち」宣言をした関係者にあきれましたが、一方で小林さんのような方も輩出しているのですね。

番組の案内を見ると、うらるんたさんの願いのように様々な視点からじっくりと造り込んだ番組が期待出来ますね。

Posted by: WW | 2008.02.24 at 02:05 PM

>WWさま
ご無沙汰です。今日はすごい嵐で、東京から戻る途中、新幹線に4時間缶詰になりました。
慌てて書き飛ばしたかなと思ったところに補足ありがとうございました。
ごめんなさい、「そこに山があるから」は本来は誤訳だが間違った訳のほうが人口に膾炙して……って所(「健全な精神は健全な肉体に」と同じような)までは折込済みで、頭の中では整理ついて書いてるつもりだったんですが、すいません、「山屋」って普通の山好きや登山家一般を指す言葉で「政治屋(政治家じゃなく)」みたいなある種の蔑称じゃなかったんですね。つまり「山屋」っていったらWWさんも小林さんも含まれてしまうと。そしたらそれは私の大感違いで、根本的に間違って違う文脈になっちゃいました、すいません。んーと例えば、(そんな言葉があるとすれば)走り屋ならぬ“登り屋”みたいな、登山一般の中でさらに偏向的な志向を持ったカテゴリの人を指す言葉で(反面、裏には「本格的な」という意味合いもあって)自称する人はやや自虐的に言ってるのかと解釈してました。(何がなんだか)
その世界を知らない人間がかじった言葉使いすると間違いますね……すみません。

21日はZERO見られませんでしたが、よい番組になってるといいなあ、と思ってます。

Posted by: うらるんた@管理人 | 2008.02.25 at 12:51 AM

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