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2010.12.08

「今日のニュース(12月8日)」

 これもツイッター発言の補足で申し訳ありません。
 昨日見かけて興味を持ったツイートの訳、tweetlongerあたりに覚え書きしておこうと思ったら、際限なく長くなってきたのでブログに切り出しました。いかんなあ、中国ブログになってしまうなあ。ご容赦。

(中国のツイート:李歆照 @lixinzhao の発言/2010年12月8日)

今日のニュース:カラマイ火災16周年(*1)、豆板の崔衛平コミュニティー解散(*2)、ミシェル・ヨー アウンサンスーチーに面会 近く本人役を演じる(*3)、アンティ蒼井空に面会(*4)、ツイッター有名人王仲夏、劉莎莎 拘束される、唐吉田弁護士が釈放要求(*5)、著作出版で拘束拷問された謝朝平のため陕西省渭南市の移民が1万人の署名を集め公開書簡(*6)、王力雄夫妻軟禁される(*7)
http://twitter.com/lixinzhao/status/12763725891117056

今日新闻:克拉玛依大火十六周年;豆瓣解散崔卫平小组;杨紫琼缅甸会昂山素姬,将出演她;安替日本会苍井空;推特王仲夏、刘莎莎被捕,唐吉田律师遣返;渭南老移民携万人签名信为谢朝平上书被拘遭打;王力雄夫妇遭软禁。

 結論から先に言うと、「世界が違うなあ」としみじみ実感。
 12/8に「今日は○○の日だね」って流れてきた私のTLの日本語ツイートは、だいたい「ジョン・レノン追悼」であふれ「パールハーバー」話がほんのちょっと、あとは「アサンジ逮捕」と「海老蔵出てきた~」でした。中国民主人権派の中国人が列挙した項目には、いっこも入ってない!

 そして、「ああ、それが自然なんだ」「当然のことなんだ」と思ったのでした。
 この見知らぬ中国の人のツイートは、ごく素直に、その彼もしくは彼女が「今日関心を寄せた、解決すべき問題をはらんでいる見過ごせない事案」を羅列したもの。その結果が日本のTLや一般の報道とはあまりにも重ならない、日本人は知らない中国国内の「事件」なのを改めて実感して、興味関心や問題意識というものはまず自分に有形無形に関係する身の周りに向けられることが「普通」なのだ、日本の人たちの目の前の課題と、中国の人たちの目の前の懸案は違って当然、チベットと中国、アメリカと中国、ウイグルと日本においておや、などと思ったのでした。

 敷衍部分も書いてしまう。ちょっと暴論かもしれないけど。
 海外に詳しいことを自認する人たちが日本のメディアを評したり、インドや中国に住んでる直接の知人が日本に一時帰国した時に「海外ニュースが少ない」「どうでもいい国内ニュースばっかりで国際感覚に欠ける」と言うことがあるんけど、それは日本が多すぎるんではなくて、当地でのドメスティックニュースが相対的に少なすぎるだけじゃないかと思ったりするのですよ。
 本来だれだって自分に直接かかわる身の回りへの関心が一番高いわけで、個々の興味関心の幅からいえば、例えば、ある人の両親が住む町で特別養護老人ホームが全焼し入所者10人が亡くなり防火管理体制や避難誘導が適切だったかを報じるニュースと、ナイジェリアで半年に1500人が殺されている宗教対立のニュースだったら、世界的には死者1500人の宗教紛争のほうが大問題だとしても、その人は「特養ホームのニュースを見たい」と思うんじゃないか、思って当然じゃないか、とか、そういうこと。個人が社会生活の中で「知りたいな」と思うのは、朝の大渋滞の原因はなんだったのか、消防車のサイレンが激しく鳴り響いていたけどどこで火災が起きたんだろう、保育所の待機児童数はどの市町村が最も多いか、携帯電話の製品事故を小耳にはさんだけど自分の機種は関係あるか……などなどなどなど、「国際的・世界的な大問題」ばかりじゃないと思うんだよね。そうして一定のニーズのあるニュースを列挙していったら尽きなくて、そのうえでもちろん「国際問題を知りたい」「アメリカの経済情勢を知りたい」って欲もちゃんとあるから国際ニュースが流れている。
 中国なんかの場合、そこが逆転してて「お上が知らしめたいこと」が知らしめたい順でニュースにされるから、「30人死んだ国内の食中毒」を報じずに「インドネシアで鳥インフルエンザ流行し141人死亡」を報じたりしてるんじゃないか、と。国内の「小さな問題」をあまり詳細に流したくないから海外の「大きな問題」にたっぷり時間を割くニュース報道になってるんじゃないか、などと邪推してみたりする。

 だから、冒頭の「(中国の)今日のニュース」というツイートが、羅列を読んでも分からないことだらけ、知らないことだらけであることに、逆に「そうじゃなくちゃ」と感じたのでした。それが普通だよ。いや、ちょっと大変だけど中国は。




 以下、上記140字の訳だけじゃわけわからん部分を注釈・補足。

(*1)カラマイ友誼館火災:1994年12月8日、ウイグル自治区カラマイ(克拉瑪依)市で小中学生を集めた舞台劇の上演中に火災が発生、死者323人(325人説あり)、負傷者130人の大惨事となった。死者のうち288人が小中学生で、臨席の党幹部25人は全員無事。出火当時「皆さんは着席、動くな! 来賓を先に!」と指示が出されたと伝えられ、友誼館職員や行政関係者の責任が裁判で問われたが、当局の規制により火災の詳細が報道されることはなく、遺族や被害者の真相究明を求める声は封じられた。
 2009年には事件をテーマにした6時間の大作ドキュメンタリー「KARAMAY」(徐辛監督)が完成、2010年のロカルノ映画祭などで賞を獲得した(中国国内では上映禁止)。
 検索したらこんな文章が!(2010年11月15日付「ドキュメンタリー映画の最前線」) 日本人も関わってる電影基金出資のドキュメンタリーだったのか!そしてその電影基金が栗憲庭って、あのチベット現代美術展のプロデューサーじゃん。

(*2)豆板(豆瓣=豆板醤のこと):中国のSNS(ミクシィみたいなサービス)の名前。崔衛平は北京電影学院教授で民主活動家で、劉暁波の08憲章の第一次署名者で、ツイッターやSNSでも積極的に言論活動を展開。自分自身で主宰していた「崔衛平コミュ」がSNSの運営会社(豆板)に消去されたらしい。そのことを書いてる個人ブログ(中国語)。
 崔衛平については集広舎の及川淳子さんのコラム(中段以降の「知識人のつぶやき」のくだりを)このへん(今年10月21日の記事の引用が読める)を。

(*3)ミシェル・ヨー(楊紫瓊)はハリウッドや香港映画で活躍する女優(中国系マレーシア人)。これは日本語の記事にもなってたので私のTLが偏ってただけかもです(すみません)→「元ボンドガール、M・ヨー主演でスー・チーさんの生涯を映画化」(AFP時事)。

(*4)アンティはツイッターのパワーユーザーで中国人コラムニスト、蒼井そらは日本のAV女優。この2人の対談がなぜ中国ツイッター界でニュースになるのかは「<中国気になる話>「蒼井そらの夜」とは何か?!エロとツイッターが取り結ぶ日中交流」コラム「ツイッター in China」とアンティ氏へのインタビュー「安替:ネットメディア外交のスゝメ」あたりを。

(*5)

(*6)三門峡ダム建設にかかわる強制移民

※*5以下はあとで追記

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