ウーセルさんビデオチャット謁見への反響
ウーセルさんのネット謁見記を読んだ人たちとの、ツイッターでの何人かのやりとりが興味深かったので紹介。薄い色にした文字は訳注と補足です。
@MyYak[米ワシントン在住チベット人] (Radio Free Asiaを聴いた)本土のチベット人がネットにこんな書き込みをしていたよ。「インターネットによってパスポートがなくても拝謁できる可能性が現実味を帯びてきたんだって、と年老いた父親にその中の出来事を話して聞かせ終えた。父は堅焼きパンをかじりながら顔じゅうを涙でしわくしゃにして泣いていたよ」
http://twitter.com/MyYak/status/24703533718704128@ウーセル その深夜、若いチベット人からうちに電話がありました。いわく『放送を聞いて感激のあまり声を上げて泣きました』『励みになります』って…
http://twitter.com/degewa/status/24755989467111424@丁丁猫[中国人] 科学技術は専制独裁者の墓を掘るね
http://twitter.com/avb001/status/24764159879024640@荒唐[中国人] ウーセルさん、チベット語にはいくつかの方言があると聞いたんだけど、ダライ・ラマ法王の話しているのはどの種類のチベット語ですか? ラサかな?
http://twitter.com/ArchNew/status/24624374250213376@荒唐 ウーセルさん、今回がようやく初めてのダライ・ラマ法王との面会だったの?
http://twitter.com/ArchNew/status/24765718989905920@ウーセル そうよ。ビデオチャットの映像の中でお目に掛かれたんです。いつか本当に法王に拝謁できる日が来ることを祈り続けます……。ダライ・ラマ法王がお話しになられているのは純粋なラサ口語で、とても美しい発音でした。お声も修行を積んだ人だけの持つ響きがあって、心に染み渡るパワーの強い声でした
http://twitter.com/degewa/status/24768914630119424@荒唐 そうですね、私も彼の声は深みがあり、聴く人を引きつけるすごくいい声だなあと思ったんです。それでさっきの質問をしてみたんです。あなたの書いたものを読んで、中国当局がチベット人の法王謁見を阻害していることを初めて知りました。パスポート発行政策上の何かの事情だったにせよ、恥知らずなことです!
http://twitter.com/ArchNew/status/24770317901635584@ウーセル チベット人のパスポート取得の困難さは、青天に上るよりもなお難し(※李白の詩「蜀道難」の“蜀道之難、難于上青天”のもじり)。そのなかで起きる悲劇と辛酸は、語っても語り尽くせません。
http://twitter.com/degewa/status/24772045589970944@tibet1987[本土チベット人] チベット自治区の普通のチベット人にはほとんどパスポート取得が認められない。いま一般的に広まりつつある方法は、大学進学時に戸口(戸籍兼住民票のようなもの)を大学の所在地に移して、それに便乗してパスポートを申請する方法だ。
http://twitter.com/tibet1987/status/24819520115843072@tibet1987 (ウーセルさんへ)あなたはパスポート申請をあきらめたほうがいい ただ、もしラサのネパール大使館でビザの発給を受けていたら、それは無期限に延長できるらしい。友人の母親が2008年2月に無事ビザを受け取った。その後3月14日(のチベットでの抗議活動激化)が起きてしい、その後はずっとビザ発給されていない
http://twitter.com/tibet1987/status/24825665433899009@tibet1987 四川・甘粛両地域のチベット人は、もし本籍が(省都の)成都か蘭州にあるなら、いくぶん相対的にはパスポート取得が楽だ。もし(チベット自治州、自治県など)チベットエリアに本籍がある場合、08年以降は同じように取得が難しくなっている。
http://twitter.com/tibet1987/status/24825957462315009@tibet1987 国外から戻ってきたチベット人は 帰国後に調査と取り調べを受けなくてはならない。もし彼が国外にいる間に抗議活動をしたことが分かったり もしくは何らかの組織にかかわったことが分かったら 即ほとんどが監獄に送られる。3年以上の刑期だ
http://twitter.com/tibet1987/status/24826370626428930@tibet1987 ここ数年、僧侶にはほとんどパスポートが発給されないので、多くの僧侶は密出国を選ぶしかない。しかし、いったん捕まればこれも刑期3年以上のシガツェ労教所だ。ここには多くのアニ(尼僧)とクショ(僧侶)が捕らえられている。全員がインドやネパールへの途上で捕まった人たちだ
http://twitter.com/tibet1987/status/24827097901965310
※@fallindaysさんの翻訳ツイート http://twitter.com/fallindays/status/24860776334368770 ここだと140字制限がないのでDaysさんの訳を基に字句を補いました@FLYPIG[中国人] 現在もまだ山を越えてインドに行く人はたくさんいるの? とても危険?
http://twitter.com/FIYPIG/status/24827436302598144@tibet1987 いずれにせよ立ち退き強制よりは危険度が高いだろうな。それでも、毎年このようにしていまだ多くの人が、かけがえのない人に拝謁し、親しい人に会いたいと山を登り峠を超えている
http://twitter.com/tibet1987/status/24827985383137280@xiaoxiaom[チベット問題に関心のあるニューヨーク在住中国人] (年老いた父親が顔じゅう涙でくしゃくしゃにしていた)(若いチベット人が「励みになる」と電話してきた)に これ(ビデオチャット謁見)って本当にいい方法よね、もっと多くのチベット人にこういう機会があることを願うわ
http://twitter.com/xiaoxiaom/status/24845777339682816@zhenghanqiu[中国人] ウーセルのブログの文章の中にある画像を見ると、彼女はインターネット中継のダライ・ラマを見ながら、パソコンの前にひざまずいてカターを捧げ持ち、両手を合わせて合掌している様子だ。最初びっくりしたけど、その後感動したよ。
http://twitter.com/zhenghanqiu/status/25027612355067904
軽い調子で切実な問題を尋ねてくる中国人に李白の詩の本歌取りで切り返すウーセルさんの切れ味を感じたり。
「@tibet1987」さんは昨年12月に「ツイッターできた! やっとファイアーウォールを乗り越えた!」と喜びの初ツイートをした人。その後、ラサ在住であること、最近刑期を終え釈放されたばかりだ、と元政治囚であることをうかがわせています。IDにしても、ツイッター上の中国人のなかには民主化支持を示す意味で「89」「64」など天安門事件を暗喩する番号を添える人がいますが、チベットの場合「1987」は、1959年以来初の蜂起が起きたのが1987年で、デプン寺院の僧侶たちがジョカンの前の広場で声を上げた9月27日は、今もグチュスム(チベット独立を求める僧侶らの組織)の記念日になっている「敏感」な数字です。見ず知らずの彼の身の安全を祈るばかりですが、その彼が直接「シガツェ労教は僧侶と尼僧でいっぱい」などと書き込むと、やはり生々しくてため息が出ます。
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