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2013.01.17

新華社報道「中国警察、ツォェ(合作)の焼身事件を解決」への懸念

 新華社通信がまた奇妙な記事を配信していました。

 焼身はTYC(チベット青年会議)が企てた計画的犯行である、ということにしたいらしいです。「TYC幹部を逮捕した、という記事らしい」というので、最初は、ダラムサラで見かけたりFacebookでみかけるTYCの何人かの顔を思い浮かべて「誰が!?」と失笑しかけたのですが、記事を全部読むと、なかなかひどいことになっていました。

 ・逮捕されたのはチベット本土、ツォェのドカル僧院の僧侶ら
 ・焼身した青年ともともと非常に関係が深い人物に後から都合のいい筋書きをでっちあげて「TYC幹部」などの濡れぎぬを着せたとみられる
 ・ブッダガヤのカーラチャクラ潅頂法要、及び潅頂法要に参加した信心深い人たちがターゲットにされて『焼身を計画した不法分子』というスケープゴートにされた(今後もされうる可能性がある)

甘粛省警察、ダライ集団である「チベット青年会議」構成員が計画した焼身殺人事件を解決
2013年1月15日 ソース:新華網(新華社ネット)
 【新華社蘭州1月15日】甘粛省の警察はこのほど、国外のダライ集団である「チベット青年会議」幹部構成員が組織的に計画し、チベット域内のならず者が惑わせて扇動した、組織的かつ計画的な焼身殺人事件の捜査解決に成功した。この事件では1人が死亡している。ケルサン・ギャツォ、ゴンポ・キャプ、タシ・ジャムツォ[尕藏加错、贡保杰、扎西尖错]ら主要容疑者7人がこの事件で逮捕された。
 2012年10月6日、甘粛省合作市那吾郷多河村<アムド、ツォェ、ドカル村>の村民サンゲ・ギャンツォ(26歳男性)が焼身により死亡し、甘粛省公安庁<警察本部に相当>はすぐさま専門の捜査本部を設置し、全力で捜査に当たった。これまで明らかになったことによると、2007年、サンゲ・ギャンツォは他の者と共謀して連続窃盗事件を起こし法にのっとって処分され、長期にわたり正規の職業についておらず、また同時に多数の女性と不適当な関係を続けていた。2011年、国外の「チベット青年会議(TYC)」メンバーであるチュギャムツォ[祁坚措](33歳男性、元ドカル僧院僧侶、サンゲ・ギャンツォの同郷の親友で、2000年に不法出国してインド「デプン寺院」で僧侶となっている)がチベット領域内に入って活動した期間に、何度もサンゲ・ギャンツォに「チベット独立」思想を持ち込んで吹き込み、同年9月にインドに戻った後も、インターネットや電話などの手段を通じて密接な関係を保ち、焼身した何人かについていわゆる「英雄的行為」であると吹聴し、「チベット人のための活動に貢献すれば、自分と家族の地位が高まる」とそそのかした。2012年1月には、ダライ集団がインドで開催した「カーラチャクラ潅頂法要」の期間に、チュギャムツォと「TYC」の別の1人の幹部構成員ゴンポ・ゴンチュク[贡保贡去乎](33歳男性、元ドカル僧院僧侶、2000年に不法出国)が呼んでインドを訪れカラチャクラ法要に参加したケルサン・ギャツォ(41歳男性、ドカル僧院会計担当、チュギャムツォの兄)、ゴンポ・キャプ(32歳男性、ドカル僧院僧侶)など30人余りの甘粛省甘南州<アムド、カンロ地方>僧侶が会合を開き、チベット本土域内での焼身アクションの実施について計画した。2012年4月、ゴンポ・ゴンチュクはインドから<チベット本土に>ひそかに戻り、サンゲ・ギャンツォに会ってそそのかしと扇動をすすめ、合わせて「焼身さえすれば、その写真を領域外に送信し、ダライ・ラマ組織のインドの僧侶たちが読経して供養することを保証する」と確約して、焼身の決意を固めさせた。10月6日、サンゲ・ギャンツォはゴンポ・キャプら3人に電話を掛けて、焼身する時間と場所を伝えた。サンゲ・ギャンツォが火をつけた後、現場に先回りしていたタシ・ギャツォ(25歳男性、ドカル僧院僧侶)、ゴンポ・キャプらの人々は焼身の一部始終や現場の状況を撮影し、いちはやく領域外に伝えた。<焼身した>当日午後、領域外在住のチュギャムツォはすぐさまメディアに情報を公表した。続いて、ダライ集団は全力で自作自演を行い、チベット地域がいわゆる「人道主義の危機」に臨していると言いふらし、国際勢力に口出しさせるよう要求した。サンゲ・ギャンツォが焼身した後、ゴンポ・ゴンチュクはただちにこっそり出境し逃れた。
 警察筋によると、他人を組織的、計画的、扇動的、そそのかして焼身させることは、命あるものを害することであり、社会に危害を及ぼし、故意に他人の命を奪う重犯罪行為である。中国の警察当局は既に、国際刑事警察機構を通じ、関係国に対しゴンポ・ゴンチュクを身柄請求した。同時に、今後さらに背後関係の捜査に力を入れ、他者の生命をふみにじる犯罪行為は法にのっとって厳罰に処する。

元記事、記事原文はこちら

甘肃警方侦破达赖集团“藏青会”成员组织策划自焚杀人案
http://news.xinhuanet.com/politics/2013-01/15/c_114378934.htm
2013年01月15日 19:50:55
来源: 新华网
    新华网兰州1月15日电  近日,甘肃警方成功侦破境外达赖集团“藏青会”骨干成员组织策划,境内不法分子蛊惑、煽动的有组织有预谋自焚杀人案,该案造成1人死亡。尕藏加错、贡保杰、扎西尖错等7名主要犯罪嫌疑人被缉捕归案。
    2012年10月6日,甘肃省合作市那吾乡多河村村民桑吉坚措(男,26岁)自焚死亡,省公安厅立即组成专案组全力侦破。现查明,2007年,桑吉坚措因伙同他人连续盗窃作案被依法处理,长期无正当职业,同时与多名女性保持不正当关系。2011年,境外“藏青会”成员祁坚措(男,33岁,原多河寺僧人,与桑吉坚措是同村好友,2000年非法出境后在印度“哲蚌寺”为僧)入境活动期间,多次向桑吉坚措灌输“藏独”思想,同年9月返回印度后,通过互联网、电话等方式与其保持密切联系,向其宣扬一些自焚人员的所谓“英雄事迹”,鼓动其“为藏人的事业做出贡献,提高自己和家人的地位”。2012年1月,达赖集团在印度召开“时轮金刚法会”期间,祁坚措与“藏青会”另一骨干成员贡保贡去乎(男,33岁,原多河寺僧人,2000年非法出境)召集赴印度参加法会的尕藏加错(男,41岁,多河寺寺管会会计,祁坚措的哥哥)、贡保杰(男,32岁,多河寺僧人)等30余名甘南州僧人开会,策划在境内实施自焚行动。2012年4月,贡保贡去乎从印度潜回,当面对桑吉坚措进行煽动教唆,并承诺“只要自焚,保证将其照片发往境外,让达赖喇嘛组织印度的僧人为其诵经超度”,坚定其自焚的决心。10月6日,桑吉坚措给贡保杰等3人打电话,告知其自焚的时间和地点。桑吉坚措点火后,早已守候在现场的扎西尖错(男,25岁,多河寺僧人)、贡保杰等人将自焚过程和现场情况进行拍摄后迅速传往境外。当天下午,在境外的祁坚措即在媒体发布了消息。随后达赖集团极力炒作,宣扬藏区面临所谓“人道主义危机”,要求国际势力干预。桑吉坚措自焚后,贡保贡去乎随即潜逃出境。
    警方表示,组织、策划、煸动、教唆他人自焚,残害生灵,危害社会,是故意剥夺他人生命的严重犯罪行为。中国警方已通过国际警务合作渠道,向有关国家警方对贡保贡去乎发出协查请求;同时,将进一步加大案件侦办力度,依法严惩残害他人生命的犯罪行为。

 名指しされた南インド、デプン僧院の僧侶チュギャムツォさんは17日、VOT(ボイス・オブ・チベット)の取材に応じ、「まったく事実無根」と訴えています。

 チベットの僧侶、中国共産党のでっちあげを非難(中国語)
 西藏僧人批评中共编造故事欺骗世人
 (記事はかなり長いので、訳出は後回しにします)

 上記記事のなかでチュギャムツォさんが訴えている内容のポイントをまとめたもの
 南印哲蚌寺僧人的说明(南インドデプン寺僧侶の訴え)(中国語)

  1. 自分はそもそもTYC(チベット青年会議)のメンバーではなく、また、焼身をそそのかしたこともない。
  2. サンゲ・ギャンツォとは同じ村の出身で、村の全員が彼のひととなりを知っている。真面目で素朴で老人をいたわり子どもをかわいがり、正義感のある青年だ。連続窃盗だの多数の女性と不倫という当局の報道は完全なでっちあげである。
  3. 中国当局は、サンゲ・ギャンツォの家族に「家庭内の不和が原因で焼身したことにするなら100万元の賠償金を支払う」と持ちかけた。家族が拒否した後に、このような荒唐無稽なでっちあげが流された。
  4. 当局の報道がいう「カラチャクラ潅頂法要の間に会合を開き犯罪の計画を立てた」などという事実はなく、まったくの作り話である。名前を上げられたケルサン・ギャツォはこれまで一度もインドに来たことはなく、また自分(チュギャムツォ)はゴンポ・キャプという知り合いはいない。すべてでっちあげである。
  5. VOTはTYC議長ツェワン・リグジンを取材しており、ツェワン・リグジンは「南インドのデプン僧院のチュギャムツォはTYCとまったく関係ない」と明言している。
  6. ツェワン・リグジンは同時に、TYCが焼身を扇動したこともない、すべて作り話であると述べている。

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