2008.03.04

上海の(国際体操)中心で「チベット」を叫ぶ

 「中心」は「センター」の中国語訳で(まんまですな)、「国際体操中心」は日本ならさしずめ「国際アスレチックセンター」ってところ。「ビョークが上海のコンサートで『Declare Independence』の歌詞に『Tibet!』を織り込んだ」という話題の画像を拾ったので。

 もっとクリアな映像は「Bjork's Shanghai surprise」( Guardian News )に(直接リンクする方法が分からないので)。"Don't let them do that to you. "は聞き取れませんでしたが、ささやき声からやがてシャウトで"Tibet,Tibet! Raise your flag!"と振り絞ってます。
 Guardian Newsの記事「Björk's Tibet protest offends Chinese fans」 によると、ビョークはこの歌をビデオクリップではグリーンランドとフェロー諸島に捧げてグリーンランドの国旗を登場させ、先月の日本公演ではコソボに捧げて歌ったそうです。
   か、かっこええ……。

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2006.08.09

チベット人のアーティスト?

 どなたか詳細知ってる方がいたら教えてください、な話。

 「チベット」……と今朝、テレビから聞こえた気がして、身支度しつつ「ん?」。
 がばっと振り返ると、歌手の松任谷由実が画面に向かい「どうぞお楽しみに」と言ってました。……私の怪しげな耳の記憶では、「チベットやベトナムのアーティストも参加した、すばらしい作品になりました。(どうぞお楽しみに)」と言っていた…ような気が。
 何、なんにチベットのアーティストが参加してんの!?
 ユーミンの新曲にチベット人がコーラスで参加してるとか、ユーミンのコンサートのバックでチベット人が太鼓叩いてるとか、そういう話ですか?
 気になって気になって、後でインターネット検索しても何も出てこず。「『ユーミン』という愛称は初恋の相手の中国人がつけてくれた。中国にはユーミンというポピュラーな名前がある」などとゆう無関係なトリビアは出てきたけどこの際それは関係ない。(しかしそうすると『ユーミン』には四声があんのか! 裕[yu4]明[ming2]とか? ユーって音はたいていウムラウト化しててあんま耳障りよくない気もするんだが。いやほんとどうでもいい)

 松任谷由実って「KATMANDU」ってアルバムもあるし、「SHANGRI-LA」ってコンサートツアーもあったし、チベット・ネパール周辺とかアフリカとかを「流行として」うまく取り入れてる(悪く言えば上澄みやイメージだけうまーく商品化してる)イメージがあるんですが(だってカトマンズ行ってもユーミン聴きたくはならんもんなー。あ、個人の好みの問題かもしれませんゴメン)、去年の愛知万博あたりからアジアンムードですねー。紅白の上海中継にチベット人は連れてこれなかったんですかね(^^)。うーんしかし気になる。

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2005.12.18

ゲーン・ダヤンハーンのチベット古歌ライブ

kouen02 日帰りで銀座へ。街のイルミネーションや歩いてる人の格好がえらくオシャレで気後れしつつ「柴田悦子画廊」竹内淳子さんの個展「チベットの愛した歌」と、ゲーン・ダヤンハーン&川辺ゆかさん&赤澤淳さんの記念ライブ。
 竹内さん、竹内さんの友人渋谷さんがチュバ姿でかいがいしく立ち回り、川辺さんもゲーンラーももちろんチベット装束。敷居の高かった「私場違いかも」な銀座の空気が、画廊に1歩入ったとたんかき消えてバーチャルチベット異空間(笑)。すばらしい。旧知のチベ友風来坊さん苦沙弥さんがいらしてました。
 異端の活仏というか破戒の詩人というかなダライラマ6世の残した詩をテーマに描いた作品は、羽ばたく白鳥や舞い落ちる羽根のモチーフと、チベット文字や仏具によく掘り込まれている紋様などの幾何学的モチーフと、ほぼ等身大くらいのスケールで描かれた人物とが大胆に配されて、実物に囲まれてると圧倒的な迫力。現実と幻想の中間くらいにいそうな人物は、皆どこか無表情に遠くをみていて、視線の先になにがあるんだろう、と竹内さんのイメージするダライラマ6世の詩歌の世界を想像したのでした。
 そんな濃密に幻想的な空間に、曲目は古典ナンマ(宮廷音楽)スタイルの「アマレホ」、モンゴルのオルティンドー(長歌)、中津川の「ほっちょせ節」、八重山の子守唄、トゥシェー「シャルルンタク」、日本語訳詞での6世の詩歌……など。個展のテーマに合わせたダライラマ6世の詩歌を中心に構成したとのことでした。
 それから、ゲーンラーは「どんなに勧められても自分は絶対ハマらないと思っていたにもかかわらず1回見たらそのまま最後まで見続けてしまった」冬ソナ以降、韓国ドラマに熱中してらっさるそうで(I先生もはまっていると書かれとったなー、チベット研究界に韓流の風が吹いてんのかしら)、「今見ている『チャングムの誓い』のテーマ曲がなかなかいいんですよ。何がいいって、チベット音階とまったく同じなのでチベットの楽器でそのまま演奏できる」とまた非常にマニアックな点に着目、『チャングムの誓い』テーマ曲(もともと朝鮮古語の歌詞を、中国の朝鮮民族留学生に訳してもらったという現代ハングル訳詞で)ダムニェンで演奏するという二重三重のコラボレーションも。なんだかものすごくピンポイントにマニアックなんですが(笑)。さらっと「曲をつけてみました」と紹介していた歌もあったんですが、ゲーンラーが作曲もしたんでしょうか。どこまで多才なのか、底知れない御方です。髪が伸びてますますチベタン化し、ダシェーを巻く日も近そうでした。
kouen03 竹内さんのお人柄と人脈で、来客として会場を訪れていた人たちもそうそうたる顔ぶれ。
 一度だけメールやりとりしたことのある写真家Nさんとも初めてお目にかかってしまったー(緊張)。“著者近影”で顔写真をみる機会はあったけど、そんなに記憶力はよくないので紹介されるまではNさんとは分からず、「誰か分からないけど(言葉は悪いけど)クリエーター臭というかタダモノでない感がものすごく漂ってる人だなー、さすが東京だなー、そんでもって絶対元パッカーって感じー」とちらちら見ていたらそれがNさんでした(大変失礼致しました)。ちょっとどきどきしつつ「以前『月刊カメラマン』の“カメラマン最前線”で特集されてたの読みました、あれ格好よかったです」と言ったら「あれずいぶん前ですよ」と驚かれたり。へへ言っちゃった。(確認したら1994年3月号だった。ほんとだ、すげー前だわ←まだ持ってるし)
 あと個人的に「おおっこの人が!」とカンゲキしたのは、エレキ馬頭琴の製作者オカモトさん。滋賀在住当時、チベ知人に「すっごいヘンで面白いサイトがあるんですが、この人京都の方だそうですけど」と教えてもらい、見ると「電動ドンモ」(ミキサーじゃなくドンモの電動化!!)「自動五体投地人形」(よく分からなかったので今回聞いたら、マニ車を回すとその上で人形がぱたぱた五体投地するらしい。回転エネルギーの効果的利用!?)「リチャージャブル電動ツァンパ練り器」(わははは、もう字づらだけでおかしいよ!)。なにこれすげー本気こもってる、と大ウケし(明和電機とか「なんでもつくるよ。」とか大好きです私)、近くにお住まいならぜひ一度お目にかかりたいと思いつつ縁は訪れないまま転勤で滋賀を去ったのでした。普通オフの席でオンの話はあまりしないようにしてるんですが、「サイト見ました面白かったです! 体の中のものまで!」と大はしゃぎ(大変失礼致しました)。
 ほかはチベット絵地図画家のタニグチさん、美大出身で現在は建築家の女性、画家のサトウさん、すんごくかわいい音楽大学の学生さんなどなどアート系の方々がずらり。竹内さんとタニグチさんとサトウさんはその昔、同様にチベットを目指していた中国旅行中に上海のホテルで同宿して知り合ったとのこと。中国旅行中に上海のホテルで同宿、ってとこまでは、まあ当時浦江(プージャン)のドミくらいしか個人旅行者が泊まれる安ホテルはなかったから珍しくも偶然でもない必然の出会いといえる訳だけど、専門で絵を描く同年代の女性が揃う、ってのはそうそうないだろう偶然で、「呼び合う」ことや「巡りあわせ」ってやっぱりあるんだなあ、と感じ入りました。画廊の店主悦子さんも「さすが銀座」な素敵な方で、すごく圧倒されたまんま、他の方々よりちょっとだけ早く失礼して新幹線で帰路につきました。

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2005.10.18

続「青蔵高原~♪」

 健康診断で日帰り上京したついでに雪蓮「咲いた」購入。
 J-popじゃなくてワールドミュージックの棚になるのか。探しちゃったよ。
 視聴コーナーなどには置いてなかったので、とりあえず買って、どきどきしながらカップリング「青蔵高原」を確認。
 うわっ出たっ、やったっ、マジもんだ!(喜) イヅォ~ヅォシャ~ンですよ、ヤ~ラ~ソ~~ですよ、ナージゥシーチンザンカオユェ~ン~~ですよ! 3人姉妹が輪唱するように編曲してあってなんだかものすごいことになっています(とてもカラオケで歌えそうにない難しさ!)が、ふふふ、これは嬉しい。ふふふ。
 雪蓮(シュエリェン)歌うまいなあ。もともとチベット民謡の出なんだもんな。ぜひチベット民謡も歌ってほしかったり(チベット語の民謡で日本でCD出すのは難しいとは思うけど…でもほしい)。まてよ、11月発売のマキシシングル「シャングリラ」ってのは、「香巴拉并不遥遠」みたいな歌なんでしょうか!? (←ないない) 楽しみだなあ、シャングリラ(^^)
 ところで「青蔵高原」、チベット本土で日本人とチベット人が集まった宴会で、チベット研究者のIさんがカラオケのマイクを握り、裏声で熱唱していたことが忘れられません(チベット人もやんやの喝采で、芸達者さにびっくりした^^)。以来私にとっては「Iさんの持ち歌」。いいもの聴いたよなー(^^)。あの後、成都でカラオケボックス入ってみたけど「青蔵高原」はなくて、ほほう中国では収録曲に地域性があるんだろうか、などと考えたっけ(単にカラオケメーカーの違いの可能性はある)。その歌が日本でCDになるとは素敵(まーカラオケに入っても実際に歌うのは難しそうだけど^^;)。
 ◇
 ところで、このへんで西安出身の女性歌手がアルバム「ファーストアルバム」(徳間ジャパン)で歌っている「青蔵高原」、「どうも『ヤ~ラ~ソ~♪』ではないみたい」と書きましたが、訂正。私がサビ以外のメロディをちゃんと知らず試聴しても分からなかっただけで、完璧に(韓紅、李娜などの歌手が歌い今回シュエリェンがカップリングにした)「青蔵高原」(北京語)でした。ふーん、なんで皆「青蔵高原」を日本で歌うんだろう?

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2005.10.15

「青蔵高原」♪

xuelian NHKのドラマ「理想の生活」、ようやく見ることができました。見る、つか主題歌を聴くのが目的ですが。
 長田さんの「チベ式」で知ったのですが、チベット出身の3姉妹デュオ「Xuelian(シュエリェン/雪蓮)」がテーマ曲を歌ってるんだそうです。NHKのドラマにチベットの歌!!! それは聴かねば!! (←しかし何かを激しく誤解していたみたいで、歌詞が日本語だったのにがっくり。わははは、まぁ普通そうですよね)
 →「Xuelian(シュエリェン/雪蓮)」公式サイト(トップページでサビの部分が試聴できます)※写真も公式サイトからもらってきました
 詳細は→ Amazon
 か、かわいい! チベットを意識した感じのする民族衣装風コスチュームですけど、毛皮+ノースリーブのマタギみたいなファッションは今年の流行らしいし、渋谷のコギャル(死語)にもウケるんじゃないでしょうか!(←ほめてんのか?)
 左から長女ナハスマン(娜絲満:80年12月生まれ)、二女レオンスマン(日蕹思曼:82年3月生まれ)、三女カルスマン(可尓思曼:83年5月生まれ)だそうです。名前の中国語表記をわざわざ持ってきたのは、最初、とてもチベットの女の子の名前とは思えなくて、どうせ「『Dorma(ドルマ)→卓瑪→チョーマー』みたいに中国語が介在しておかしな名前にされちゃったんだろう」と先入観持って漢語サイトに行ったら、どうもそうでもないみたい(「娜絲満」をピンイン読みしてもナスマンとはならない)。ギャロンの出身でギャロンの名前、ということらしいです。ギャロンかー。そうだよな、「アデ・タポンツァン」だもんなあ(←唯一知ってるギャロンの人名^^)。
 さて、んで気になるのはカップリングの「青蔵高原」。(←「咲いた」には既に興味を失ってしまったらしい^^;)
 「青蔵高原」といえばこのへんでも書いてるけど中国語でチベット高原の雄大な自然を朗々と歌い上げた(中国の)演歌。「ヤーラーソー 那就是青蔵高原~~」ってサビが印象的といったらもう。これ? これを歌うの??? だったら即買いだよCD。
 というのもですね、この時は「チベット(をモチーフにした中国)の歌入ってねえー!」と騒いでいたわけですが、先日(9月末)、職場の歓送迎会の2次会で久しぶりにまた同じカラオケボックス(シダックスの「DAM」)に行きまして。そしたら「洛桑卓瑪」みたいな(うろ覚え)、もうこれは明らかにチベット人だと分かる名前があるわけですよ、歌本に!! しかし職場の上司や同僚の前でその歌を入れてみるわけにもいかず、そこはぐっとこらえて、先日、気の置けない友人をつき合わせ、真相を突き止めるため、再びカラオケボックスに行ってまいりました。
 そこは「UGA」が入っていて、歌本が違ったので「洛桑卓瑪」はなかったんですが、なななんとそこで韓紅(ハンホン)の「青蔵高原」を発見!(韓紅については例えばここを→チベット式) ヤ~ラ~ソ~♪ 悔しいけどもちろんサビしか歌えませんでした! 練習だ!
 というわけで、歌としてはチベット民謡に中国語歌詞をあてた「格桑啦」なんかのほうがもっとイイんだけど、知ってる歌が入ってるだけでうれしいもんです。ペマ・アジャラ(うーんペマじゃ単なる蓮の花か、雪蓮ってチベット語でなんていうんだろう)が歌ってくれてるといいな、っと。ところでなんで「青蔵高原(ちんざんこうげん)」? 「せいぞうこうげん」(日本語読み)か「チンザンカオユェン」(北京語読み)か、中途半端に混ぜずに統一してほしいような。
 ちなみに「青蔵高原」、既に演歌として日本でリリースされてるらしいのも発見しました。
 中国・西安出身の歌手ヤン・チェンさんの歌う「青蔵高原」(公式サイト)。名前も「ヤンチェン」とひとつながりにするとチベット名っぽいけど、これは芸名で、チベットの人じゃないみたいです。このへんから試聴もできるんですが、もろばっちり中国語(北京語)歌詞なんですけど、どうも「ヤ~ラ~ソ~♪」ではないみたい。なぜ「華流」歌手が何人も、「青蔵高原」と名づけた歌を日本で歌うのか。(素直に日本語にするなら「西蔵高原」とか「チャンタン高原」でしょ。青蔵ってもともとの地名じゃなく「青海+西蔵」の造語だと思うし)
 なにげに謎が多い「青蔵高原」です。ヤ~ラ~ソ~。

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2004.12.12

カラオケで歌うチベット

 職場の忘年会でカラオケボックスに入った。
 以前は知り合い同士でカラオケに行くこともあったけれど今はそういうこともほとんどなくなって、実際、群馬県のカラオケボックスは初体験。
 「BBサイバーダム」という機種の入っている部屋だったんだけど、驚いた&感動したのは、外国語曲だけで1冊、厚さ600ページくらいの歌本があったこと。「すげーっすげーっ」と中国語曲を端から端まで眺めてしまった。五佰とか動力火車とかF4とか周杰倫とか張恵妹とかとにかく豊富。「11、12月の新譜」なんてページもあった。流行りの曲もどんどん追加されてるってことなんだろうか(最近の中国の流行を知らないので入ってても分からないけど)。
 こ、これはもしかしたらもしかして、自分の知ってる歌も……!? 
 知ってる歌……ってのは容中尓甲とか徳欽旺姆とか亜東とか、つまり中国本土で人気のあるチベット人歌手の歌う、「在那草地上」とか「青蔵高原」とか「香巴拉并不遥遠」とか……ここで列挙してもしょうがないけど中国語(元歌がチベット民謡だったりチベット語のものも多いけどここでは「カラオケの中国語曲」なので)でチベットを歌った歌である。
 ――なかった。……まあ当然とは思うけど……(しょぼん)。
 それでもこれだけ厚い歌本なんだから何かないかなあ、といじましくページをめくっていたら、歌手名のところに「西蔵民歌」という文字が! すごいっ、マジかよヤルじゃんBBサイバーダム!! 
 しかし喜んだのも一瞬。その曲名ときたら、「青裸美酒献給毛主席」
 なんだよそれー(怒)! そんな歌入れるなよ(知らない歌だけど)。
 そんな歌のどこが「西蔵民歌」なんだよ! 民歌ってのはなあ、市井の民草の間で伝承され歌い継がれた歌を(略)。(※ただし中国では人民が共産党を称えるいわゆる「革命歌」「人民歌」みたいなのを「民歌」ということもあると思うので、BBサイバーダムは悪くないと思います)
 あぁ、歌ったらチベットの映像が画面に流れてくるような、そんな「もろにチベット」な歌ってないものでしょうか。イスタンブールあたりの(?)気分に浸れる「異邦人~シルクロードのテーマ」とか、パキスタン北部ペシャワールあたりを想定しているはずの「ガンダーラ」みたいな。「月凪」は歌える気がしないし、「Lhasa」はチベットあまり関係なかった気がするし、「シャングリラ」ってサビの歌は電気グルーヴと中島みゆきにあるけど(探せばもっとあるかも)やっぱりチベットって雰囲気じゃないし……。
  ◇
 書きかけで「下書き」のまま放置されていた10月26日のエントリーをアップ。

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2004.11.06

コンサート「黄金の華(セルキ・メト)」

techung01.jpg チベット人の友人から誘われてチベット人ミュージシャンのコンサート「黄金の華」へ。「チベット人の間でとても有名で、TCVにいた頃皆が聴いていた歌手です」と言われ心動き、急に休みがついたので無理矢理上京。このところ血中チベット濃度が低下中で低血チベ状態だったし。
 新宿のお寺が会場と聞いて、なぜか一人勝手に野外コンサートだと思いこんだ私。セーターにマフラーまで装備して、ものすごい厚着で出かけたのに、着いてみたら立派なホールでした。着いたら既に満席で後方には立ち見がびっしり。眼鏡も曇る熱気! チベット人が多数、知人の姿もちらほら。誘ってくれた友人以外に、さささんと地元のMASSさんもいらしてました。
 コンサートは、TIPA(Tibetan Institute of Performing Arts 亡命政府チベット舞踊芸術学院)出身で米在住のテチュンさんとチミ・ユドゥンさん、日本人ダムニェン奏者タシ・クンガさんの歌と演奏。チベット音楽というとちょっと前までは声明やお寺でお経とともに演奏される仏教楽器(ギャリンとかカンリンとか)が中心でしたが、チベット・フリーダム・コンサートが日本でも開催されたあたりから民間音楽が増えてきた感じ。今回は、1920~1930年代にラサで人気を集めた伝説的なダムニェン奏者の作曲した曲を中心にした、とのことでした(詳しくない私にはもちろん知らない曲ばかり)。
 チベットで、歌は生活とともにあります。私が思い出すのは、サムイェ郊外で冬に備え牧草を刈り取る人たちに出合った時、1人がダムニェンを演奏して歌を歌い、皆が唱和しながら刈り取った草を積み上げていた仕事歌。歌声に惹かれて近寄りながら、「なぜこの人だけ遊んでるんだろう? うたなんか歌って」と思った私のバカだったこと。それから、ダラムサラで過ごしたロサル。歌いながら酒を勧められ(チャンシェ=酒の歌)、歌い終わるまでに杯を空けないともう1杯飲まなければいけない! 酒が弱くドツボにはまった私とN氏は、何度その美しい節回しを聴いたか……。そしてそれから、成都の西南民族学院(現在は大学)の週末、どこからともなく集まってくるチベット人学生たちの踊りの輪……。
 演奏がどんどん速くなる「ソナム・パンゲ」、「オムマニペメフム」のリフレインが入る「チム・ゲー(ディの歌)」……テチュンさんのダムニェン演奏はダイナミックで、曲のサビには足拍子が入り、床を踏みならしてリズムをとります。チミ・ユドゥンさんは歌いながら腕を交差させ、たおやかな振り付けで体全体で表現。
 ああ、野外コンサートだと思いこんだ理由が分かった気がする。これってやっぱり、一緒に体を動かしステップを踏んで楽しむものなのに違いない(>決めつけですが)。チミ・ユドゥンさんの手振りが会場から自然に沸いてくる音楽なのに違いない。っとまあ、そんな気分にさせてくれる楽しい演奏でした。
techung02.jpg 弓で弦を弾く「ピワン」(中国楽器の胡弓の古いタイプに含まれるらしい)を演奏しながらオリジナル曲「シュエカンセン(Snow Lion of Peace)」を歌うテチュンさん。二胡などは一般的に椅子に座り、膝で楽器を固定してソロで奏でますが(だから女子十二楽坊の集団立ち弾きは驚かれた)、テチュンさんのピワン演奏は、立て膝をついてワイルドに弾き鳴らし、間奏では腰だめにピワンを抱えてタテヨコにスイングさせながら回り踊ったもんね! かっ、格好いいっ。もうほんと、ステージが狭くてもったいなかったです。
 やはりここは「女子十二楽坊」に対抗して「ぽもちゅぐににゃむしぇ」(女性+12+みんなで音楽/正しいチベ語なのかどうかは知りません)を結成してもらうしかないのではっと。テチュンさんはCMO(China Music Orchestra/YMOをカバーしたイケ面ギャミ民族音楽バンド)の真ん中とってる揚琴奏者よりカッコイイしステージアピールも上だ!
 伝統音楽もいいけど私のような素人にはずっと聞き続けているのは辛いので、もちっと現代風にビートなぞ入れて、BEGINのウチナー音楽とかディック・リー(古っ!)の曲みたいなの作ってくれないかな、とかね。
 終了後は友人が隣り合わせた日本人女性2人をナンパ(!?)+TCV出身のチベット人留学生2人とその友人でダラムサラで1年弱チベ語を学んだ仏教の専門家+MASSさんの計8人でお茶。チベット話尽きず。さらに4人は流れてインド・パキスタン料理「カラチ」。店主はパキスタン出身ということですがヒンディー語もぺらぺらで、チベット人2人はヒンディー語にシフト。日本人同士と友人は日本語、私以外の3人はチベット語、たまに4人全員で英語、注文はヒンディー語という怪しいテーブルになりました。キポチュン(楽しかった)。

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2004.05.21

チベ系j-pop? 東京エスムジカ「月凪」

tsukinagi.jpg 「チベットをテーマにした歌詞内容で、チベット語コーラス部分もあるらしい」と聞き、「月凪」(東京エスムジカ/ビクターエンタテインメント)を入手。
 「世界ふしぎ発見!」(TBS系)のエンディング・テーマ曲で、公式サイトによると、

「月凪」
歌詞のテーマはチベット。この地での愛の終わりを痛む人、そしてその心が醸し出す幻影を歌う。ラストのコーラスはチベット語で作詞されおり、この絶妙なオリエンタルで不思議な夢幻世界から“東京エスムジカ”の世界が始まる。

だそうです。ラストのコーラス、テレビでも流れるんでしょうか。

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2004.03.04

深夜のチョモランマ

 深夜番組をなんとなくつけていたら、「チョモランマ」という言葉が聞こえたような気がして耳を疑った。慌ててテレビ画面を振り向いても、若い男の子が歌を歌っている。幻聴!?

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